ファーマフーズ、リウマチ治療薬を開発へ


食品や化粧品向けの機能性素材を手掛けるファーマフーズ(京都市)は26日、関節リウマチなど自己免疫疾患の治療薬が開発段階に入ったと発表した。疾患の根本的な要因となっているタンパク質に直接作用するのが特徴。早ければ2022年に前臨床試験(動物実験)を終え、臨床試験(治験)に入る。30年ごろの販売を目指す。共同研究している田辺三菱製薬と新たな契約を結び、治験や販売を委託する。自己免疫疾患は免疫が自分の身体を攻撃して、痛みや炎症などの健康障害を起こす病気の総称。現在の市販薬は自己免疫反応(炎症)が出た後に増加する因子に対して作用するが、新薬は炎症の原因となるタンパク質に作用して抗体を作り出す。現在の市販薬のように一度症状が治まっても再発するリスクが少ない。関節リウマチの国内患者数は70万人以上とみられる。現在の市販薬が効かないとされるリウマチ患者は全体の3割いるとされるが、それらの患者にも効果が期待できるという。ファーマフーズは13年から創薬事業に参入。ニワトリ由来の独自の抗体作製技術の研究を進めてきた。同社は18年に田辺三菱製薬と自己免疫疾患薬で共同研究契約を締結。今回、研究によって改良抗体を得られたため開発段階に進む。田辺三菱は自己免疫疾患の治療薬の開発・販売で国内最大手。主力の「レミケード」「シンポニー」は国内売上高だけで年間1000億円近い。自己免疫疾患治療薬の市場規模はがんに次ぎ、19年の世界市場は5兆円超とみられる。

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