旭川に陸自の看護師10人派遣決定 9日から従事


岸信夫防衛相は8日、新型コロナウイルスによる医療機関のクラスター(感染者集団)が相次ぐ旭川市に、陸上自衛隊の看護師と准看護師計10人を派遣すると発表した。鈴木直道知事が8日夕に自衛隊法に基づく「災害派遣」を要請し、陸上自衛隊北部方面総監が派遣命令を出した。日程は8日から2週間以内としており、9日から本格的な医療支援に従事する。防衛省によると、看護師らは陸自第2師団(司令部・旭川)など道内の部隊から集めた。5人ずつ2チームに分かれ、旭川市内で、特に医療状態が逼迫(ひっぱく)する慶友会吉田病院や重症心身障害児(者)施設の北海道療育園で、医師の診察補助や入院患者の体調管理などを行う予定。岸氏は派遣について、記者団に「道内の医療の状況などを踏まえ、応急的な医療支援が必要との判断に至った」と述べた。派遣命令を受け8日夜、第2師団の隊員らが旭川市の吉田病院や旭川市役所を訪問。9日以降の看護師派遣に向け、支援内容などについて事前調整を行った。派遣を巡っては、旭川市からの要請を受け、道が7日から自衛隊と調整を進めていた。派遣決定を受け、鈴木知事は「道と旭川市、自衛隊と力を結集して集団感染の収束に向けて全力を尽くす」とコメントを発表。西川将人旭川市長は「本当にありがたい。収束を目指して頑張るので力を貸していただきたい」と述べた。新型コロナ対応での、自衛隊の看護師派遣は8月の沖縄県向け以来。大阪府の吉村洋文知事も看護師派遣を要望しており、防衛省は早ければ週内にも派遣を決める方向で検討している。(立野理彦、高橋澄恵、星野真)

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