群馬大などの研究グループは14日までに、血糖値を保つインスリンが膵臓(すいぞう)の細胞から持続的に分泌されていく仕組みの一部を解明したと発表した。糖尿病の原因や病態、治療などの研究に役立つ可能性があるという。 インスリンは膵臓のβ細胞の中で、袋状の「分泌顆粒(かりゅう)」に蓄えられていて、分泌には二つの様式がある。食事などで血糖値が上がると、細胞の表面近くの顆粒が細胞膜と融合し、インスリンが細胞外へ放出される動きが盛んになる。それから次第に、細胞の比較的内側にあった顆粒が表面側へ移動していき、この際も放出の動きが盛んになる。この2様式があることで、インスリンは持続的に放出される。 研究グループは以前、一つ目の様式について特定のタンパク質の働きで分泌が起きることを特定した。今回は二つ目について、別のタンパク質「メラノフィリン」などが作用していることを特定した。