障害の有無に関わらず受け入れる保育所が京都市に 看護師を配置「親が相談できる場も」


医療的ケア児や重度心身障害児を受け入れる小規模保育事業所「こどもみらい園」が今春、京都市上京区で開設された。障害児の父親らが立ち上げたNPO法人が運営し、障害などの有無に関わらず一緒に同じ空間で時間を過ごす「インクルーシブ保育」に取り組んでいる。きっかけは、市内の障害のある子らが通う施設の父親でつくる「おやじの会」だった。子育ての悩みを共有したり、子どもらの居場所が少ない社会の問題点を話し合ったりする中で、メンバーの1人が「保育所をつくりたい」と考えたという。昨年8月にNPO法人「こども未来」(右京区)を発足させて準備を進め、今年4月にオープンさせた。おやじの会のメンバーは会員になるなどして運営を支えている。園では医療的ケア児のために看護師を配置して医務室を設け、小児科医や歯科医とも連携している。ケアに必要な医療機器が電源のトラブルで使用できない事態を防ぐため、多数のブレーカーを設置した。また、施設の広さでは本来なら最大19人まで受け入れられるが、定員を12人程度にして子どもらが動きやすいようにスペースを確保している。現在は計9人の子どもが通い、医療的ケア児と重度心身障害児が1人ずついる。子どもたちは一緒に屋内での遊びや散歩などをして過ごしている。重い障害のある息子(10)の父親でもある辻真一園長(53)は「2、3歳の健常児が障害のある友だちの手助けをしようとしたり、優しく接したりする姿を見ると、人は本能として支え合うという意識があると感じる」と話す。今後は重度心身障害者らを対象とした放課後等デイサービスや訪問看護ステーションの事業を検討している。辻園長は「誰もが助け合い、共に生きることができる社会を目指す。親が気軽に相談できる場もつくりたい」と夢を描いている。18日午前10時から見学会と説明会を開催する。問い合わせは同園075(755)2029。

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