徳島県は今月から、子どもを望む若年がん患者を支援する「AYA世代妊孕(にんよう)(妊娠する力)性温存治療費助成事業」を始めた。生殖機能の低下を伴うがん治療を受ける人の経済的負担を減らし、将来への希望を持ってもらう。43歳未満の県内在住者で▽日本癌(がん)治療学会の基準に基づき、治療により生殖機能が失われるか低下すると医師が判断した▽県が指定する医療機関で妊孕性温存治療を受けた▽県の特定不妊治療費助成を利用していない―ことが条件。卵子や精子の採取、凍結費用として、女性は20万円、男性は3万円を上限に助成する。受精卵の凍結、保存も対象となる。4~8月の間に温存治療した人も、条件を満たせばさかのぼって対象とする。予算は300万円。厚生労働省の統計(2017年)によると、県内でがんに罹患(りかん)した39歳以下の患者は122人。おおむね15~39歳とされる「AYA世代」のがん患者は、子どもを持てるかどうか不安を抱える人が多い。治療費が高額になり、温存治療費まで負担できないケースもあるという。問い合わせは県健康づくり課<電088(621)2223>。