認知症の高齢者が行方不明になるケースに備え、伊東市は新たに「高齢者あんしん見守りネットワーク」事業を開始した。QRコードで個人を識別できる情報伝達サービス「どこシル伝言板」を導入した上で、登録者の情報を伊東署と共有。早期発見や捜索活動の迅速化につなげる。
認知症などで徘徊(はいかい)の恐れがある市民が対象。申請すると対象者の情報が登録され、希望者には衣服などに貼るQRコード付きシールを配布する。このQRコードは誰かが読み込むと、対象者の特徴や既往歴を表示するとともに家族にメールが届く仕組みで、行方不明になっても警察に届ける前に発見できる可能性が高まる。県東部では導入している市町が多い。
捜索が必要な場合では、これまで同署と市の間に明確な連携態勢がなかったが、今後は登録者の情報をあらかじめ共有しておくことで、速やかに対象者を特定し初動までの時間を短縮できる。
事業には民生・児童委員、介護事業者、鉄道、バスなど10団体が協力する。市の担当者は「シールを貼ることで周囲に見守りの必要性を認知され、対象者が遠方まで行ってしまうケースは減るはず。市民の方々には行方不明者情報が配信される市メールマガジンにも登録し、見守りの目を増やしてもらえれば」と呼び掛けている。