宮崎)都城高専が「KOSENフェイスシールド」製作


新型コロナウイルス感染防止対策のため、都城高専(宮崎県都城市)が都城市郡医師会病院と共同開発で、主に医療現場向けの「KOSENフェイスシールド」を製作した。軽くて強いポリプロピレン製で飛沫(ひまつ)防止に重点を置き、装着によるストレスを使用者にあまり与えないことや、容易に消毒して再利用できることも考慮したという。高専によると、休校中だった4月初旬、ロボットコンテストに挑む部活動「ロボット製作局」のオンライン会議で医療用器具の不足が話題となり、職員2人と学生十数人が一緒になってフェースシールドを製作することを決めた。4月中旬に病院側からフェースシールドに関する技術相談があり、打ち合わせを始めた。試作品を作っては看護師らの意見を聞き、4月末には、ほぼ完成にたどり着けたという。開発に当たったのは技術専門員の津浦洋一さん(55)と技術専門職員の福田正和さん(41)。看護師らからは「くもりにくいものを」「飛沫防止のため大きめに」などの意見が出され、その声をもとにレーザー加工機などを利用して製作したという。各人の頭の大きさに合うようにS、M、Lの三つのサイズを作り、消毒しやすいように装着用バンドなどをすぐ外せるようにした。これまでに200個作った。すでに市郡医師会病院の看護師らが使っているほか、都城市北諸県郡医師会の会員の病院・医院にも順次、配布する。都城市郡医師会病院のICU(集中治療室)の看護師、益留晶宏さん(39)は「現場の声を聞いて頂き、感謝している。軽くて装着しやすく、安心感もある。バンドが太いので汗をかいても落ちてこない」と話した。高専は5月7日にフェースシールドの製作をホームページで発表した。すると全国各地の高専で同様のシールドを製作する動きが出てきたという。都城高専は今後、地元企業に製作を働きかけていく方針だ。病院に併設されている都城健康サービスセンターで15日にあった贈呈式では、高専の岩佐健司校長が「工学と医療の連携は今後も重要だ」とあいさつ。医師会長でもある田口利文・総病院長は「新型コロナは感染予防、感染拡大予防が重要。このフェースシールドは非常に良く出来ていて、デザイン性も優れている」と述べた。(神谷裕司)

関連記事

ページ上部へ戻る