膵臓がんになりやすい遺伝子変異を発見 日本人の1割に


膵臓(すいぞう)がんのなりやすさに関連する遺伝子変異を見つけたと、愛知県がんセンター(名古屋市千種区)が発表した。この変異は西洋人ではほとんどないが、東アジア人にはあり、日本人では約1割が持っていると推定されるという。同センターや愛知医科大、名古屋大などの研究チームは、膵臓がんの患者約4千人と、がんではない約4万1500人を対象に、全ゲノムを網羅的に解析。16番染色体にある「GP2」と呼ばれる遺伝子の変異が、膵臓がんのリスクを上昇させていることを突き止めた。GP2は、主に膵臓に存在するたんぱく質。変異によってアミノ酸配列に違いができ、たんぱく質の働きが変化してリスクが上がった可能性があるという。膵臓がんは早期発見が難しいがんの一つで、愛知県がんセンターの松尾恵太郎・がん予防研究分野長(分子疫学)は「GP2を標的にした治療や予防ができれば、膵臓がんを減らすことができる」と話している。科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに論文(https://www.nature.com/articles/s41467-020-16711-w)が掲載された。(木村俊介)

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