出産前後に死亡した赤ちゃんの割合を示す「周産期死亡率」で、2016年に全国最高値だった三重県が、19年は全国最低値へと飛躍的に改善した。厚生労働省の人口動態調査で分かった。母子の健康状態に応じて医療施設を振り分ける体制づくりが実を結んだ。背景には、三重大医学部付属病院を中心とした県内の産婦人科医たちの綿密な連携がある。 (鎌倉優太)妊娠二十二週以降の死産と生後七日未満の新生児の死亡数を「周産期死亡数」という。これを年間の出産数で割り、千人当たりで換算したのが周産期死亡率で、母子保健の重要な指標となっている。一九年の三重県の周産期死亡率は二・〇人と都道府県で最も少なく、全国平均の三・四人を大幅に下回った。対策に尽力したのは、産科婦人科学が専門の三重大医学部の池田智明教授(61)。就任した翌年の一二年から、県内の病院に所属する同大出身の医師と同大の医療関係者をつなぐビデオ会議を毎朝、実施。各病院で担当する母子の容体について情報交換を重ね、支援体制の充実を図ってきた。例えば、急な出血があり、母子の健康が危ぶまれる場合はクリニックなどの一…関連キーワード
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