本庶佑・京大特別教授が小野薬品提訴 「オプジーボ」特許料226億円支払い請求


がん免疫治療薬「オプジーボ」の特許使用料をめぐり、2018年にノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)・京都大特別教授(78)は19日、製造販売元の小野薬品工業(大阪市)に、使用料の分配金約226億円の支払いなどを求める訴訟を大阪地裁に起こした。請求するのは、オプジーボに似た薬を販売する米製薬大手メルクから小野薬品が得る特許使用料の一部。小野薬品などはメルクを特許侵害で訴え、17年1月、メルクが約710億円などを支払う内容で和解した。全体の25%を小野薬品が受け取ると決まっていた。訴状によると、本庶氏は14年秋、小野薬品から訴訟への協力を依頼され、同社が和解で得られる金額の40%を配分すると説明を受けた。しかし17年夏、配分するのは1%だと理由もなく通知されたという。訴訟で求める約226億円は、小野薬品の当初提案額との差額分(39%)に相当する。本庶氏は5日に京大で開いた会見で、「(同社を)信頼していたが、誠意ある回答が得られず残念だ」と述べていた。オプジーボは、本庶氏が発見した免疫を抑制するタンパク質「PD-1」の研究成果をもとに小野薬品が実用化。特許は両者が共同出願し、06年に同社が独占的に使い、本庶氏が対価を得る契約を結んだ。だが両者は対価の割合をめぐり、長年対立が続いている。小野薬品の相良暁社長は18日の株主総会で、本庶氏の提訴に、「契約は有効で支払い水準は妥当と考えている」と説明していた。提訴を受け、小野薬品は「訴状が届いておらずコメントできない」とした。

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