厚生労働省の専門部会は11日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から光を感じる視細胞を作製し、患者の網膜に移植する神戸市立神戸アイセンター病院などの臨床研究計画を了承した。世界初の試みで、今年度の手術実施を目指している。
移植の対象は、視細胞が徐々に失われる「網膜色素変性」の患者。視野が狭くなったり、視力が低下したりする目の難病で、国内の患者数は推計約4万人に上る。根本的な治療法はない。
研究では、京都大iPS細胞研究所から提供されたiPS細胞を使い、視細胞の元になる細胞を作る。これを大日本住友製薬が直径1ミリ程度のシート状に加工し、患者に移植する。 (C)時事通信社