【第57回日薬学術大会】24年度日本薬剤師会賞 受賞者の横顔


第57回日本薬剤師会学術大会このたび、水口和生先生が栄えある2024年度日本薬剤師会賞を受賞されましたことを心よりお祝い申し上げます。水口先生は、1972年徳島大学薬学部を卒業後、徳島大学医学部の附属病院で勤務しながら、博士号をとられ、97年には薬剤部長となられ、地域住民の健康維持・増進に活躍されると共に院外処方箋の発行にも早くから力を入れ、徳島県での医薬分業を牽引いただきました。一方で、同じく97年には徳島大学教授となり、後進の育成にも尽力されました。88年から、徳島県病院薬剤師会の役員を歴任し、90年からは徳島県薬剤師会役員に就任、2014年徳島大学を定年退職後に徳島県薬剤師会会長となられました。会長就任後、元来の流れを読む力、統率力を発揮し、災害が激甚化・多発する現状から、当時、四国ではまだ十分認知されていなかったモバイルファーマシーの導入をいち早く進め、徳島県の協力も得て、20年3月に配備を完了しました。また、新型コロナウイルス感染症の対策においても、医療機関が手薄となる年末・年始に感染者の医療機関、薬局への集中を避けるため、県が設置した「臨時医療機関」において、分包をはじめとする調剤を行うため、モバイルファーマシーの分包機や設備を活用することを提案し、短期間で準備対策を整えるなど、これまで誰も実施したことのない困難な事業を陣頭指揮し、県民の安全・安心に尽力したことが県からも大きな評価をいただき、薬剤師・薬局、ひいては県薬剤師会の地位向上を図っていただきました。水口先生におかれましては、顧問として今後も当会を支えていただきますようお願いすると共に、今後ますますのご健勝とご多幸をご祈念申し上げます。(徳島県薬剤師会会長・和田朱実)1972年徳島大学薬学部製薬化学科卒業。徳島大学病院薬剤部長を経て、徳島大学名誉教授。現徳島県薬剤師会顧問。元徳島県病院薬剤師会会長。徳島県公安員会委員長、徳島県薬事審議会委員、徳島県後発医薬品適正使用協議会委員などを歴任。薬事功労者徳島県知事表彰、薬事功労者厚生労働大臣表彰などを受賞。2022年旭日小綬章受章。このたび、木村隆次先生が2024年度日本薬剤師会賞を受賞されましたことを心よりお祝い申し上げます。木村先生は1994年に青森県薬剤師会理事に就任され、その後96年青森県薬剤師会常務理事、同時に青森支部長としてもリーダーシップを発揮されました。日本に介護保険が導入された際には、日本薬剤師会常務理事として介護保険制度の中でなすべき薬局の方向を全国各地に広げ、薬剤師職能拡大につなげる役割に尽力されたことは現在の地域包括ケアの礎となりました。2002年から青森県薬剤師会副会長、10年から青森県薬剤師会会長として、述べ32年余、青森県薬剤師会の発展、円滑な運営に尽くされました。中でも「青森県健康介護まちかど相談薬局事業」において介護が必要な方や認知症の早期発見・早期対応を目的に作成された「基本チェックリスト」や「脳の健康チェックリスト」は、先生の残された貴重な財産の一つになっています。快活なお人柄と豊富な知識で、各医療・介護団体、行政とも良好な関係を作られ薬剤師の地位向上に貢献されました。また、未来ある若手薬剤師に対する先生の思いは熱く、各地域の特性を踏まえて、医療圏域ごとの若手薬剤師育成の場を設けられました。若手薬剤師から「木村塾」とも呼ばれた、こうした取り組みに込められた理念は今もなお次世代へと受け継がれています。現在は青森大学客員教授として後進の育成に努められると共に、青森県介護支援専門員協会会長として、毎日のように県内・県外を飛び回っておられます。木村先生のこれまでのご尽力に対し改めてお礼を申し上げると共に、今後ますますのご健勝とご活躍を祈念申し上げます。(青森県薬剤師会会長・白滝貴子)1982年城西大学薬学部卒業。プロマックス代表取締役。現青森県薬剤師会顧問。元青森県薬剤師会会長。元日本薬剤師会常務理事。元日本薬剤師会代議員。元日本薬剤師会薬局第一委員会副委員長。日本介護支援専門員協会初代会長、青森県医療審議会委員、青森県地方薬事審議会委員、厚生労働省社会保障審議会介護給付費分科会臨時委員などを歴任。現青森県介護支援専門員協会会長、青森大学客員教授。厚生労働大臣表彰、青森県褒賞、青森県知事表彰などを受賞。日薬賞受賞決定の知らせに「これほど嬉しいことはない。」と満面の笑みで喜びを語り、「今回の受賞はこんな私を支えてくれた全ての会員、役員・職員のおかげです」と謙虚に語る姿は日野先生の人柄を物語っていました。1960年、松本市に生まれ、地域住民から頼りにされていた両親の背中を見て育った先生は、東京薬科大学大学院修士課程卒業後、病院、薬局勤務を経て実家の日野薬局に戻り地域医療に携わっています。薬剤師会では松本薬剤師会長を、また県薬では副会長等を長年務め、2015に県薬会長に就任、「人に寄り添い、地域と共に歩む」をキャッチフレーズに、「人づくり」「薬局づくり」「つながりづくり」の三づくりを柱に、会の発展に尽力されました。特に「健やかな面分業」の育成とかかりつけ薬剤師・薬局の推進に努め、不適切な分業に対しては毅然とした姿勢を貫きました。また薬薬連携の充実、生涯教育の重要性と薬剤師による在宅療養支援、そして顔の見える薬剤師として地域医療に貢献することを辛抱強く会員に訴え続けてきました。温厚でありながら芯が強く、時には会の先頭に立って行動する姿は、多くの人々から慕われ、三師会からも絶大な信頼を得ました。さらにコロナ禍の感染対応や災害時の医療救援活動、環境問題など、地域社会活動等にも真摯に取り組みました。生粋の広島カープの大ファンで、中・高校時代には中距離ランナーとして名を馳せ、今もプロ級のスキーやヴァイオリン演奏など自遊時間も充実されています。この度の受賞を会員一同お祝い申し上げると共に、ますますのご活躍をご祈念申し上げます。(長野県薬剤師会会長・藤森和良)1986年東京薬科大学大学院修士課程医療薬学専攻科卒業。現日野薬局代表取締役。元松本薬剤師会会長。元長野県薬剤師会会長。元日本薬剤師会理事。元日本薬剤師会代議員。現長野県薬剤師会顧問。長野県地方薬事審議会会長、長野県医療審議会委員、社会保険診療報酬支払基金長野支部参与、厚生労働省薬事・食品衛生審議会動物用医薬品等部会委員などを歴任。厚生労働大臣表彰、長野県知事表彰等を受賞。64歳。

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