政府は25日、高齢化が進む中で重要な課題と位置付ける認知症対策で来年度から始める研究開発の国家プロジェクトの全体像を明らかにした。新たな治療薬や簡便な検査法の開発を加速、脳神経科学の基礎研究推進、神経再生による認知症の克服に向けた研究強化が柱。関連予算として2024年度の概算要求に文部科学省が約93億円を盛り込み、厚生労働省、経済産業省などの計画を合わせて200億円超を計上する。認知症を抱える人は増えており、40年に65歳以上の4人に1人の約950万人に達するとの推計がある。岸田文雄首相は認知症対策を「国を挙げて挑戦すべき重要な課題」と位置付ける。同日、政府の健康医療戦略推進会議で「認知症・脳神経疾患研究開発イニシアチブ」として示された。高市早苗健康医療戦略担当相は「認知症の対応は国民に期待されており、スピード感をもって研究開発をする必要がある」とあいさつした。最大で約10年かけて成果を得る。