「単なる先送り」負担減の実感薄く 医療保険制度見直し方針


現役世代に偏ってきた医療費負担の是正を目指す医療保険制度の見直し方針が15日、まとまった。75歳以上の後期高齢者に、保険料の引き上げや、来年度から50万円に増額される出産育児一時金の財源負担を新たに求めることが柱だ。ただ、現役世代の間では、所得の高い大企業の会社員らに負担増を求める見直しも盛り込まれ、負担減の実感は薄そうだ。【神足俊輔、藤沢美由紀】同日の社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の医療保険部会に示され、大筋で了承された。厚労省は関連法の改正案を来年の通常国会に提出する。出産育児一時金の増額は2023年4月から、その他の制度改正は24年度からの実施となる見通しだ。今回の見直しのポイントは「世代間」と「世代内」の能力に応じた負担の推進だ。「世代間」については、まず、75歳以上の所得に応じた部分の保険料と、高所得者の保険料の上限額をそれぞれ引き上げる。その分、後期高齢者の医療費の一部を担っている現役世代からの支援金が減る計算だ。75歳以上の保険料は全体で820億円増え、現役世代らで中小企業の社員らが入る全国健康保険協会(協会けんぽ)が300億円、大企業の社員らが加入する健康保険組合全体では290億円、それぞれ減る。さらに、…

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