【薬局業務の効率化と質的向上を目指して】かめおかゆう薬局(C.Medical)


常時約60人の在宅患者を受け持つかめおかゆう薬局京都府亀岡市にあるかめおかゆう薬局は、外来患者の院外処方箋を面で幅広く応需する一方、高齢者施設2軒や個人宅での在宅医療を受け持っている。薬剤師の訪問時に欠かせないのが、C.Medicalのクラウド薬歴「コネクトレポート」。画面上でボタンを押すだけで、医師やケアマネージャー、訪問看護師ら登録先のFAXに報告書を送信できる機能が追加され、使い勝手がさらに良くなった。薬剤師が現場で把握した患者の変化や副作用などの情報を即時に報告書で送信することで、多職種との連携向上に役立っている。JR亀岡駅から西に徒歩約10分の幹線道路沿いに、かめおかゆう薬局がある。2014年の現地移転前から亀岡市内で薬局を営み、地域住民の認知度は高い。院外処方箋応需枚数は月間約1800枚。近隣診療所の処方箋は全体の約4割にとどまり、約110医療機関から面で幅広く応需する。薬剤師数は常勤2人、非常勤1人の体制で、数人の事務員と連携して業務に当たる。広い駐車スペースがあり、市内や遠方、京都市内の基幹病院に車で通院する患者に対応する機会も多い。石野氏(左)と天野氏健康サポート薬局として、地域住民向けに手洗い講習や握力測定などのイベントを定期的に開催。住民の様々な症状に対する相談に応じ、OTC医薬品など約100製品の販売も手がける。外来患者の調剤に加え、2軒の高齢者施設や個人宅など常時約60人の在宅医療患者を担当。薬局内にクリーンベンチを設置し麻薬持続注射の調製を受け持つなど、在宅医療対応にも力を入れている。在宅医療の現場で以前から活用するのが、ゆう薬局グループのC.Medicalが開発したクラウド薬歴「コネクトレポート」。レセコンから吸い上げた患者情報や処方情報を、クラウド上の電子薬歴としてタブレットやノートパソコンでいつでもどこでも閲覧できるもので、薬剤師目線で機能を追求したのが特徴。在宅医療患者が多い同薬局にとって、欠かせないシステムになっている。更新を続けるコネクトレポートに約半年前に搭載されたのが、医師やケアマネージャー、訪問看護師ら多職種への報告書送信を効率化する機能だ。画面上でボタンを押すだけで、登録先のFAXに報告書を送信できる。新機能によって、一旦、報告書を紙にプリントアウトし、FAXで送信する手間がなくなった。月初や月末、曜日を指定して送信の予約も設定できる。在宅訪問時にはタブレットで薬歴に目を通す薬局長の石野陽一氏は「以前は、医師やケアマネージャーに月1回、報告書をFAXで送信するのに5~6時間くらいかかった。その業務負担がなくなっただけでなく、送信先を間違わないように注意する心理的な負担も軽減された。薬剤師としてやるべき業務に集中できるようになった」と振り返る。月1回の定期送信のほかに、多職種とすぐに共有したい情報があれば、報告書をその場で送信する。石野氏は「薬剤師が把握した発熱などの患者の変化、副作用の疑い、投与量の調整など、多職種に即時に伝えたいことがある時に報告書を送る。タイムリーな送信が可能になった」と話す。電話で概要を伝えるだけでなく、合わせて報告書も送ることで、抜けのない正確な情報共有が可能になる。コネクトレポートには、薬歴の記載内容を自動的に報告書形式にまとめる機能もある。現場でタブレットを操作して要点を入力すれば、すぐに報告書として送信できるという。コネクトレポートは前回処方との変更点を色分けで表示する病院で働いた経験を踏まえ石野氏は在宅医療の現場で、患者の状態の変化、薬の効果や副作用を注意深くモニタリングしている。コネクトレポートで記録したSOAPの薬歴、服薬状況、体調変化、副作用等の情報を現地で改めて確認しながら、患者や家族と対話する。特に処方変更時は注意が必要だが、コネクトレポートは前回処方との変更点を色分けで表示するため、どこに注意すべきかを把握しやすい。削除された薬は「青色」、初めての薬は「赤色」、変更点は「黄色」、追加された薬は「ピンク」と色分けで表示される。処方薬を経時的に一覧で表示する機能もあり、いつどのような薬が処方されたのかを一目で把握し、経過を踏まえて考察できる。医薬品相互作用や疾患との禁忌情報なども表示され、薬剤師の業務に役立つ。画面に表示された処方薬名をクリックすると最新の添付文書を閲覧できる。石野氏は「添付文書を検索する時間すらない在宅医療の現場で、薬の質問に答えたり、情報を伝えたりする時に、すぐに添付文書を閲覧できるのは便利。患者や家族、多職種とその場で一緒に確認もできる」と語る。このほか、別途検索しなくても、患者の住所情報をもとにコネクトレポートの画面上で目的地が示された地図を確認できるのも、役立つ機能だ。現場目線の様々な機能が盛り込まれたコネクトレポートは、在宅医療の場面で「圧倒的なメリットがある」と石野氏は強調する。今後、地域の住民や多職種から信頼され、必要な役割を発揮する薬局として、さらに業務の拡充を進める考えだ。同薬局を受け持つ亀岡ブロック長の天野智仁氏は「調剤報酬の各種加算をいかに算定するかを意識し過ぎるのではなく、地域とのつながりを大事にするのが、これから薬局が生き残る道だと思う」と語る。石野氏も「患者に信頼される薬剤師が数多く揃う薬局にしたい。自ら学ぶスタッフが増え、それぞれの知識がベースアップされれば、全体の力も高まる」と先を見据える。かめおかゆう薬局(C.Medical)
https://www.c-medi.co.jp/

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