山口大学は27日、同大発スタートアップのノイルイミューン・バイオテック(東京・港)が、大阪大学発スタートアップのC4U(大阪府吹田市)と提携したと発表した。ノイルイミューンのがん免疫細胞療法と、C4Uの「ゲノム編集」技術を組み合わせ、世界でも最先端のがん免疫療法の開発を目指す。ノイルイミューンの基盤は山口大の玉田耕治教授が開発した「プライムCAR-T細胞」の技術。患者の免疫細胞「T細胞」に遺伝子操作を加えて強化した「CAR-T細胞」は血液のがんに効果がある。玉田教授はこの「CAR-T細胞」を局所に集め、固形がんにも有効にする技術を開発し、特許を取得した。現在実用化されている「CAR-T細胞」は患者自身の細胞由来だが、健常者の細胞から作って蓄積しておけば、その都度作る必要がなく、すぐに患者に投与できる。ただ、他人の細胞を基にした場合、拒絶反応など副作用の懸念がある。今回の提携はC4Uの持つゲノム編集技術を利用し、副作用を起こす遺伝子をピンポイントで排除。他人の免疫細胞を利用して安価で効果的な「CAR-T細胞」療法の開発を目指している。