RPA活用事例を発表 医療法人社団高輪会


7月22日にオンライン・バーチャルイベント「Blue Prism World Virtual 2020 Japan」が開催された。「医療業界でのRPA導入」をテーマに、医療法人社団高輪会(東京都港区)コーポレートシステム部の坂下秀雄部長が登壇し、同法人がゼロからスタートしたRPAの取り組みを発表した。同法人は月6万超のカルテデータを、月1万5000時間かけてレセプトコンピュータ(請求システム)に入力していた。19年5月にレセコン入力の自動化テストを行ったところ、PC業務を自動でこなすロボット(RPA)により入力作業の完全自動化が可能だと判明。同年7月に、RPA専任担当者を法人本部に1名設置し、RPAの設計・実行についてノウハウを習得した。同年10月、RPAを導入。結果、在庫自動発注、運行管理システム実績ダウンロード、レセプトデータファイル自動取得、電話帳自動登録の4業務を自動化、年間2260時間削減の効果を記録した。当初の目的であるレセコン自動化については、21年夏頃に運用開始予定だという。効果最大化のため、「業務選定シート」を作成。業務1つ1つに対してRPA化のしやすさ、業務改善ニーズの高低などを一覧化し、優先順位を設定。RPA導入にあたり、本番実行用サーバは現在PC1台。導入にかかった出費は、RPAライセンス120万円、RPA実行用PC購入費用10万円である。また、来年4月までにRPA開発者を10名増やし、全社での年間業務時間約2万2600時間削減を目指す。「RPA導入から1年足らずだが、すでにその効果を実感している。今後さらに効果を発揮し、ITの価値を医療業界全体に広めていけるよう、プロジェクトを推進していく」(コーポレートシステム部坂下秀雄部長)

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