三菱電機ITソリューションズでは、薬歴システムは単なる薬歴管理だけではなく“地域医療のコミュニケーションツール”として、保険薬局を支えるべきシステムと考え、次世代コミュニケーションサービス「AnyCOMPASS」クラウド版電子薬歴(以下、「AnyCOMPASS」)を2023年6月から販売を開始している。「AnyCOMPASS」では、「しっかり」「スピーディー」「つながる」をコンセプトとして、患者タイムラインや指導ポイントナビゲート等の機能を搭載しているが、今年1月に新たにリリースしたAIアシスタントは、そのコンセプトをさらに強化するオプションサービスになっている。会話情報からAIアシスタントがSOAP薬歴を自動生成23年以降、生成AI技術が目覚ましい速さで進化しており、ヘルスケア領域でも薬剤師の業務効率化、精度向上の観点での活用が期待されている。患者への服薬指導、および薬歴作成業務について活用すべく、同社では東大発ヘルスケアAIベンチャーであるmediLabと共同開発を進めてきた。生成AI活用による二つの狙い、期待効果は次の通りである。一つは、よりパーソナライズ化された服薬指導アドバイスである。「AnyCOMPASS」の有する指導内容データベース、および過去の指導実績、患者属性情報・患者基本確認情報・処方内容から、患者に合った最適な指導・ヒアリング内容をAIアシスタントが候補表示することにより、当該疾病を発症した患者のプロブレムを引き出すための主訴を確認することができる。また、指導・ヒアリング内容の候補表示にあたっては、その選定理由も併せて表示することで、薬剤師に判断材料を提供し、より「しっかり」した服薬指導をアシストする。もう一つは、SOAP薬歴の自動生成による業務効率化である。服薬指導アドバイスに基づく指導・ヒアリング内容、および赤マークでお知らせする指導ポイントのナビゲートを元に、患者への服薬指導を行う。薬剤師と患者の服薬指導のやりとりは音声でも取り込むことができ、AIアシスタントが患者の主訴を抽出した上、患者属性情報・患者基本確認情報・処方内容を合わせ、SOAP形式に分類した薬歴を作成する。これにより「しっかり」「スピーディー」を両立し、業務効率化が期待できる。電子処方箋を中心とした医療DXへの対応、地域医療連携に向けた薬局への期待など、さらなる変化の波が押し寄せる中、AIアシスタントにより、薬剤師の服薬指導&薬歴作成業務を一層サポートする考えだ。また、同社は今年4月に三菱電機のグループ3社が合併し、「三菱電機デジタルイノベーション」として新たな組織に生まれ変わる。35年以上にわたり薬局向けのシステム開発・販売を手がけてきたが、新たな船出と共に薬局・薬剤師の業務DXに必要となるサービスのさらなる拡張を予定している。三菱電機ITソリューションズ(Any COMPASS)
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