iPS由来の新薬、全自動化支援 政府「製造・販売」見据え


政府が人工多能性幹細胞(iPS細胞)に由来する医薬品製造を巡り、細胞培養などの工程を全て自動化する技術開発の支援に乗り出すことが17日、関係者への取材で分かった。iPS細胞は作製工程が複雑で、手作業のため費用が高く、品質がばらつく課題があった。iPS細胞を使う再生医療の実用化を見据え、低価格で高品質な製品を安定供給できる体制の確立を目指す。iPS細胞を使う治療は、心臓病、パーキンソン病、脊髄損傷などで臨床研究が進んでいる。研究から実用化までを「バトンをつなぐ」ように、国内で医薬品の製造まで連続的かつ円滑に進む技術を開発し、日本の優位性を強固にする狙いがある。文部科学省はiPS細胞の作製を自動化できれば、1人当たり約4千万円の費用を約100万円にでき、作製数も大幅に増やせると試算する。研究機関への財政支援など関連費用を2025年度予算案の概算要求に盛り込む方針。経済産業省も細胞培養や品質分析に関わる機器の企業やソフトウエアメーカーが連携して技術開発する仕組みを整える方向で検討している。

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