キヤノン系、医用画像アプリ配信仲介サービス始める


キヤノンマーケティングジャパン子会社のキヤノンITSメディカル(東京・品川)は医用画像アプリケーションの配信仲介サービスを15日に始めた。IT(情報技術)企業は自社開発したアプリを、新サービスのウェブサイトを通じて医療機関などへ販売できる。第1弾としてキヤノングループの画像診断ソフトを販売する。新サービスの名称は「アプリケーションコネクトサービス」。同社が提供する医用画像クラウドサービス「Medical Image Place(メディカルイメージプレイス)」を拡充する。スマートフォン向けアプリの配信仲介サービスのように、画像診断ソフトの開発企業と利用する医療機関を結びつける。画像診断ソフトの販売に加え、課金管理やバージョンアップ、利用状況の把握といった機能も提供する。ソフトの登録やダウンロードに応じて課金する。医療情報システムの安全管理ガイドラインへの準拠やセキュリティー確保のため、医療機関内に専用のネットワークシステムを設置し、VPN(仮想私設網)を介してソフトやデータをやりとりする。医療機関は同ネットワークシステムを介して、画像診断ソフトをダウンロードしたり利用したりする。第1弾としてキヤノンメディカルシステムズが開発した、脳卒中の画像診断支援ソフトを提供する。コンピューター断層撮影装置(CT)画像から脳出血や虚血などの変化を、読影医が検出しやすいように強調するなどして表示する。深層学習技術を使って開発した。深層学習技術を使って開発された画像診断支援ソフトの開発・販売が広がるのに伴い、医療ITサービス大手はソフトを効率よく提供するための仕組みづくりに取り組んでいる。キヤノンITSメディカルは新サービスを通じて配信するソフトの品ぞろえを拡充するほか、医用画像管理システムのメーカーなどとも協業を進める計画だ。(日経クロステック/日経コンピュータ 長倉克枝)[日経クロステック 2020年7月14日掲載]

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