エーテンラボ、アプリで励まし合い生活習慣病対策


生活習慣病対策のアプリを手掛けるエーテンラボ(東京・渋谷)は、糖尿病などの患者向けにスマートフォンアプリで生活習慣を改善する実証実験を行った。アプリを使ったグループの方がウオーキングの歩数が増えるなどの効果がみられたという。医療機関で使いやすい機能を追加するなどしてアプリ事業を強化する。エーテンラボのアプリ「みんチャレ」を使った。みんチャレは同じ目標を持つ人5人がアプリ上でチームを作り、日々の活動をチャットや写真で互いに報告し合う。励まし合うことで習慣化を後押しする仕組み。実験は神奈川県の実証支援事業を活用して、県民などを対象に2019年10月から3カ月間実施。糖尿病患者と糖尿病のリスクが高い人合計30人に参加してもらい、みんチャレを使うグループと使わないグループとでウオーキングの歩数の達成度合いなどを比べた。その結果、みんチャレを使ったグループでは目標に対する歩数の達成率が57%と、使わなかったグループの約2倍に達したという。エーテンラボの長坂剛最高経営責任者(CEO)は「患者は職場など周りの人に糖尿病を患っていることを明かせないケースも多く、周囲からのサポートが得にくいことが課題だった」と話す。みんチャレを使えば、匿名の仲間同士で励まし合いながら治療や生活習慣の改善を継続しやすくなるという。エーテンラボは一般財団法人の社会変革推進財団(東京・港)から資金調達もする予定。今後はみんチャレに記録した歩数や食事などのデータを主治医に共有し治療に生かしてもらうといった機能を追加する計画だ。利用者は現在、1日あたり1万8000人ほどいるといい、数年内に10万人に増やす。長坂CEOは「エビデンス(証拠・根拠)を蓄積して様々な病気の治療時に活用してもらえるようにしたい」と話している。

関連記事

ページ上部へ戻る