竹富島の診療所に宮城県出身の内科医が赴任 医師不足 公益法人が橋渡し


沖縄の八重山地域にある竹富町(西大舛高旬町長)は本年度から、町立竹富診療所の運営を、指定管理契約で公益社団法人「地域医療振興協会 沖縄地域医療支援センター」に引き継いだ。西大舛町長が5日、協会の吉新通康理事長に施設の鍵を引き渡した。自前での医師確保が難しくなっていることが理由。協会は離島病院の指定管理と医師の派遣に実績があり、委託によって継続的な地域医療の提供が可能になる。西大舛町長は「(離任のたびに)後任の医師を何とか確保していたのが実情で、そのつど住民には不安を与えて心苦しかった。協会の協力を得たことで、継続的な医療が受けられるようになり、感謝申し上げる。地域から信頼され、親しまれる診療所になってほしい」と喜んだ。吉新理事長は「われわれは離島など不利な地域に医師を配置し、住民らに喜んでもらっている団体だ。住民が迷ったときに方向性を示す、あるいは一緒に悩んであげられるようなかけがえのない施設にしたい」と力を込めた。医師兼管理者として、関有香子さん(46)が着任した。宮城県出身の内科医で、東京での救急や開業医を経て昨年9月から本部町の民間病院で勤務。離島医療に興味があって応募したところ、願いがかなった。在宅医療が専門。関さんは「患者のそばで医療がしたいと経験を積んできた。誠心誠意診療に当たり、少しでも皆さんの安心につながり、支えになれるよう頑張っていく。何でも構わない。相談があれば気軽に声を掛けてほしい」と抱負を語った。町は、もう一つの町立黒島診療所の運営も、5年前から協会に委託している。協会は県内でほかに与那国診療所、公立久米島病院、国頭村立東部へき地診療所の指定管理を受けている。

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