東北・北海道で初めて山形大が整備した同大医学部東日本重粒子センターの開所記念式典が14日、山形市の現地で行われた。来年2月からの照射治療を前に関係者が先進医療のスタートを祝った。新型コロナウイルスの感染防止のため、出席者は同学部教授ら約20人に絞り、医療や経済界の招待者はオンラインで式典の様子を視聴した。玉手英利学長が「山形大が一丸となりがん研究を推進し、最良の先端医療を社会に提供する」とあいさつし、上野義之医学部長は「未来の医療を県民の皆さんと一緒につくっていく」と決意を示した。遠藤利明衆院議員、吉村美栄子知事、土田正剛県市町村振興協会理事長(東根市長)、佐藤孝弘山形市長がビデオメッセージを寄せた。関係者がテープカットし、整備に尽力した嘉山孝正名誉センター長が「これからの医療は、患者が治療を受けたかどうか分からないほど優しくなる。山形大が患者のため研究分野でも貢献することを期待する」と述べた。同学部は、がんに特化した研究、教育、臨床を目指して2005年に重粒子線がん治療装置の導入計画を開始。国内7例目となる治療施設は地上4階、地下1階で、総事業費は約150億円(装置約100億円、建屋約50億円)。現在は医学部付属病院の前立腺がん患者を対象にホルモン剤の投与など事前治療を行っており、来年2月下旬に照射治療を始める。根本建二センター長は記者会見で既に県内外の75人から治療の予約が入っていることを明らかにし「治療の年間目標数は1年目が120人で、4年目で600人を目指す」とした。>>山形新聞トップ >>県内ニュース >> 政治・行政