静岡市は31日、認知症当事者や家族の総合支援を行う「市認知症ケア推進センター」を同市葵区の七間町通りに開設した。市によると、地方自治体が運営する認知症ケア施設は全国でも珍しいという。全国から公募したセンターの愛称は「かけこまち七間町」に決まった。
飲食店だったビルの1階を改修して整備し、広さは約140平方メートル。相談スペースや調理室、オフィススペースなどを備えている。認知症の多様な悩みに医療や介護の専門職が対応する個別相談支援や認知症当事者同士の交流を行う。地域包括支援センターや社会福祉協議会といった機関との連携拠点や産学の認知症予防に関する共同研究の場と機能も持つ。
同日行われた記念式典には市や地元の関係者ら約50人が参加し、支援拠点の門出を祝った。田辺信宏市長は、要介護認定された人のうち、2万5千人の市民が認知症である実情に触れ「『ここへ来れば今後の支えになる』と思われる場所にしたい」と述べた。静岡七間町名店街の久保耕介理事長は「センターは街中を訪れるきっかけにもなる」と期待を込めた。式典後は認知機能チェックなどを受けられる企業や大学のブースが並んだ。
センターの本格運営は2日から。開設時間は平日と毎月第1土曜の午前9時から午後6時まで。問い合わせは同センター<電054(204)1541>へ。