入院患者虐待 神出病院に改善命令 神戸市、法令順守の徹底も要請


神戸市西区の神出病院で、精神疾患のある入院患者を虐待したなどとして元看護師ら6人が逮捕、起訴された事件を受け、同市は17日、同病院に対し、精神保健福祉法に基づく改善命令を出した。同事件では元看護師2人の有罪が確定。神戸地裁判決によると、布団に寝かせた男性患者の上から逆さにした医療用ベッドをかぶせて閉じ込めたり、男性患者同士でわいせつな行為をさせたりした。神戸市は1月末に同病院から連絡を受け、2~7月に計6回、臨時の実地指導を実施。職員や患者への聞き取りのほか、元看護師らへの判決を踏まえて、暴行などがあったと認定した。改善命令では、(1)不適切行為が疑われる事案があれば市に報告(2)患者や職員が市に通報できるよう、院内に公益通報制度を周知(3)不適切行為を見つけた職員が上司・同僚に相談した情報がトップに伝わる制度の創設-などを求めた。また市の調査で、患者を隔離する際に数人を1室に入れたり、医師の指示なく隔離したりしたケースがあったため、法令順守の徹底も要請。病院に対し8月中に改善計画書を提出するよう求めた。市は、市内の全精神科病院に対しても、定期の実地指導で関係者への聞き取りを強化。神出病院に求めた(1)~(3)の徹底も要請した。(初鹿野俊)

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