コンテナの診療所、運用開始へ 宇都宮


初のクラスター(感染者集団)が発生するなど、新型コロナウイルス感染拡大“第2波”が栃木県内でも懸念される中、宇都宮市は、市内のメーカーが感染症対応のために開発した「移動型コンテナ診療所」の寄贈を受けた。市では市夜間休日救急診療所(同市竹林町)に設置し、週明けに運用を始める。移動型コンテナ診療所はリフォーム工事、コンテナハウス製作などを手掛ける「ピースノート」(同市鶴田町)が開発、市に寄贈した。名称は「モバイルクリニック」で、新型コロナウイルス感染拡大を受け、医療従事者や患者の感染リスクを減らす目的で開発に着手。感染症専門医のアドバイスを受けた。診療スペースと区切った前室を設け、医療従事者と患者の出入り口を別にして動線が重ならないよう設計した。空気圧を調整する陰圧設備により、空気が対角線上に流れるようにしている。大きさは長さ6メートル、幅2・5メートル、高さ2・8メートル。同社がこれまで手掛けてきたコンテナは、倉庫や店舗、事務所など、多岐に渡り利用されている。今回開発した移動型コンテナ診療所は、狭小地にも設置できることが特徴。すでに全国の医療機関や自治体などから問い合わせがあるという。河村公威(きみたけ)社長は「医療従事者の安全や患者の安心のために活用してほしい」と話し、佐藤栄一市長は「あらゆる感染症に対応できる。有効利用させていただく」と感謝を述べた。(松沢真美)

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