腎不全の抑制物質を発見 三重大「透析患者減らしたい」


進行すれば人工透析や腎移植が必要になる「慢性腎不全」の進行を抑える物質を発見した、と三重大学が14日発表した。有効な治療法が見つかっていないとされる慢性賢不全に対して新たな治療法が見つかる可能性があるという。三重大によると、慢性腎不全は悪化すれば、血液からたんぱくなどの必要な物質を残し、不要な物質を体外に排出する腎臓の働きが失われる。最終的には人工透析などが必要になるという。治療法を研究する三重大大学院医学系研究科免疫学講座の安間太郎助教は「ヒト組み換えトロンボモジュリン」に注目。この薬剤は炎症を防ぐ効果があり、腎臓の保護に有効ではと考え、腎不全のマウスに投与した。その結果、マウスの腎臓の線維化などに関与する伝達物質が抑制され、腎臓の濾過(ろか)機能障害が軽減された。また、ヒトの細胞でも同様の効果を確認したという。今後は人体への応用に向けて研究を重ねるという。安間助教は「透析が必要になれば、患者の生活の質は著しく下がってしまう。治療法開発につなげて透析が必要になる患者を少なくしたい」と話している。

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