厚生労働省は24日、3349万円という超高額の公定価格(薬価)で保険適用された白血病治療薬「キムリア」を値下げすることを決めた。薬の費用対効果を分析したところ事前に定めていた基準より小さかったため。高額薬の費用対効果を薬価に反映させる制度が本格的に導入されてから第1陣の見直しとなる。24日に開いた中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)の総会に分析結果を報告し承認を得た。キムリアは2019年5月に保険適用された。見直し後の薬価は今後改めて示す。2022年4月の薬価改定を待たずに値下げする見通し。費用対効果を薬価に反映させる仕組みは「既存の薬と比べて寿命を1年延ばすのにいくら費用が増えるか」を評価するもので、19年度から本格導入された。高いほど費用対効果が小さいことになる。キムリアの場合は750万円を基準としていたが、実際の治療では白血病では750万円を下回ったものの、リンパ腫では750万円を超えた。患者数の割合で加重平均すると薬価を下げることになる。制度上、値下げ率は最大でも15%としている。医療保険財政への影響が大きい薬を分析の対象としており、1億円を超えて保険適用された遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」など14品目がこれまでに選ばれている。費用対効果が優れていれば薬価を引き上げることもある。