出産事故で赤ちゃんが重い脳性まひになった際に総額3千万円が支払われる産科医療補償制度で、日本医療機能評価機構の検討会は14日までに、原則「妊娠32週以上、体重1400グラム以上」を支払い対象とする現在の条件を「妊娠28週以上」に緩和する見直し案を了承した。より早産の赤ちゃんにも救済を広げる狙いで、2022年1月から適用される見通し。近く、厚生労働省の部会に報告する。同制度は、医療過誤訴訟の多発が産科の崩壊につながっているとの指摘を背景に、裁判を経ずに速やかに補償が受けられるよう09年に導入された。医療機関が支払う掛け金は、公的医療保険から拠出する「出産育児一時金」の42万円に含まれている。条件緩和に伴って補償対象者数などを推計し直し、保険料を2千円引き下げることも了承した。現在は医療機関から支払われる掛け金1万6千円と、制度の余剰金から支払われる8千円で計2万4千円となっているが、これを2万2千円にする。どちらの財源を減らすかなどは今後議論する。〔共同〕