厚生労働省は10日、新型コロナウイルスの院内感染を防ぐため、初診患者へのオンラインや電話での診療が週明けの13日に始まると発表した。新型コロナが収まるまでの期間限定で、医療機関の受診歴の有無にかかわらず認める。処方薬も薬局の薬剤師からインターネットや電話で服薬指導を受けたうえ、配送で受け取れるようになる。公的医療の対価として医療機関が受け取る診療報酬は2140円とする。対面での初診料(2880円)に比べ4分の3の水準となる。患者負担は3割の場合で642円。クレジットカードや銀行振り込みのほか、通院した際にまとめて精算するといった支払い方法になる。実施できる医療機関を都道府県ごとにホームページで公表する。向精神薬の処方はできない。医師が患者の症状から診断や処方ができなかった場合は必要に応じて対面診療を促したり、ほかの医療機関を紹介したりする。この場合は診療ではなく受診勧奨になるとした。オンライン診療はスマートフォンやタブレットのビデオ通話機能を使って医師が診察する。従来は初診は対面診療が原則で、再診のみ認められていた。対象疾患も慢性疾患に限っていた。今回、オンラインや電話での遠隔診療を初診患者にも特例的に広げ、新型コロナの院内感染に伴う医療崩壊を防ぐ。