風疹検査コロナで進まず 「空白世代」の予防接種が急務


新型コロナウイルスの流行が、風疹対策にも影を落としている。国は予防接種を受ける機会がなかった世代に対し、免疫があるか確かめるため、今夏までに約480万人に抗体検査をするとの目標を立てていたが、コロナ禍で達成できない見込みだ。厚生労働省は見直しを検討している。風疹はウイルスによる感染症で、妊娠中の女性がかかると、生まれてくる赤ちゃんの目や耳、心臓に障害が出る恐れがある。主にせきやくしゃみによって感染し、免疫がないと患者1人から5~7人にうつるとされる強い感染力がある。国立感染症研究所によると、今年の風疹の感染者は8月16日までに85人で、同時期に2108人だった昨年よりずっと少ない。今年は風疹と同じように感染する新型コロナへの対策もあり、一時的に流行が抑えられているようだ。ただし、2013年には全国で1万4千人以上がかかるなど大流行し、18、19年にも2千人を超える流行があった。感染した赤ちゃんに障害が出ただけでなく、死者も出ている。特に、一部世代の男性はワクチンの公的な予防接種がなかった空白期間にあたり、十分な免疫を持たない人が多いため、感染を広げやすい。そこで国は19年4月から、特に十分な免疫がない現在41歳~58歳にあたる1962年4月2日~79年4月1日生まれの男性に対し、自治体を通じて無料クーポン券を配布。抗体検査と予防接種を進めてきた。国は当初、人が集まる東京オリンピック・パラリンピックで感染が広がるのを防ぐため、抗体検査を2020年7月までに約480万人に、22年3月までに約920万人にする目標を掲げていた。ただ、対策の進み具合は芳しくない。19年度末時点で抗体検査の実施を見込んでいた約330万人に対し、実際に受けたのは約143万人。さらにコロナ禍による医療機関の受診控えなどが追い打ちをかけ、思うように進んでいない。厚生労働省は20年7月までと…

関連記事

ページ上部へ戻る