厚生労働省は6月13日、障害者総合支援法の見直しに関連し、グループホーム(GH)の定義を改める方針を固めた。入居者の1人暮らしに向けた支援や、GHから退居した後の相談支援を含むことを法律上明確にする。また、1人暮らしを望む人に特化した、入居期限付きのGHの新類型を障害報酬に位置付ける。住居という性格が薄まることになり、GHは大きな転換期を迎える。同日の社会保障審議会障害者部会(座長=菊池馨実・早稲田大教授)の報告書案に盛り込み、了承された。精神保健福祉法などと一括して障害者総合支援法の改正法案を秋の臨時国会に提出する。同部会が最重要課題としたのはGHを含む居住支援だ。GHをめぐっては、1人暮らしへの移行を希望する人が特に精神障害者に多いとする意見が上がり、そうした支援に特化した類型を設ける方向で議論が進んだ。GHの定義を変えるかは不明だったが、報告書は現在の定義(住居において相談、入浴、排せつまたは食事の介護その他の日常生活上の援助を行うこと)に1人暮らしへの支援と退去後の相談支援が含まれることを明確にするよう求めた。新しい定義は現在のGHの三つの類型にも及ぶ。新類型の創設について、事業者、障害者の家族の立場で参加する委員から「採算をとるのは難しい」「GHを出た後に、うまくいかなかった場合が心配」といった疑問の声が上がっていた。もう一つの柱は就労支援だ。一般就労(雇用)と就労系障害福祉サービスの垣根をなくし、障害者が行き来しやすいようにする。その一環として、就労系の障害福祉サービスの利用希望者の就労能力などを評価する新サービス「就労選択支援(仮称)」を創る。本人に事務作業などを試行してもらい、ケース会議で強みや弱みを整理し、本人の選択を支える。このサービスの利用は本人が希望する場合のみとする。アセスメントの結果、企業などでの一般就労を望み、その能力のある人はハローワークにつなぐ。また、企業での一般就労を始めた障害者が、空いた時間で就労系障害福祉サービスも利用する「併用」は、条件付きで認めることを法令上明記する。このほか、報告書は基幹相談支援センターの設置、地域生活支援拠点の設置をそれぞれ市町村の努力義務とすることを明記した。菊池座長の談話 報告書は派手な内容を含むものではないが、日本の障害者施策を確実に前進させる内容を多く含むものになったと確信している。特筆すべきは、雇用と福祉の相互乗り入れが一定程度進んだことだ。福祉新聞の購読はこちらThe post 障害者GHの定義変更へ 単身生活支援で法改正、委員からは疑問の声も appeared first on 福祉新聞.