離島間で処方薬の輸送実験 11月に長崎で実施へ


小型無人機(ドローン)ベンチャーの自律制御システム研究所(ACSL)は11月4~6日、長崎県五島市で小型無人機を使った離島間の処方薬輸送の実証実験を行う。同市などが今月5日から実施している遠隔医療の実証実験に加わる。五島市福江島の西5キロにある嵯峨島(さがのしま)の診療所に通う患者に、福江島の医師がタブレット端末や分身ロボットを使って診察。診察後の処方箋に基づいて薬剤師が処方した薬をACSLの小型無人機で診療所に届ける。薬剤師による服薬指導もオンラインで行う。小型無人機が安全に飛行できるようにするため、気象観測ベンチャーのメトロウェザー(京都府宇治市)が小型無人機の飛行経路上空の風況を観測し、観測データをACSLに提供する。来年2月14日まで実施されている五島市での遠隔医療の実証実験には、ACSLやメトロウェザーのほか、同市、長崎大学、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、ANAホールディングス、分身ロボ開発のアバターイン(東京都中央区)も参加している。新型コロナウイルス感染拡大を受け、厚生労働省は4月からオンラインによる診療や服薬指導を特例として認めているが、福江市や実験に参加する企業などはこの実験を通じて、医療資源が限られている離島部などでの新たな医療インフラの構築を目指す。

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