トーカイ子会社で処方箋調剤を展開するたんぽぽ薬局(岐阜市若宮町、松野英子社長)は、医薬品医療機器法の一部改正を受け、今月から調剤薬局全138店舗でオンラインによる服薬指導を開始した。医療プラットフォーム事業を手掛ける2社のオンライン服薬指導のシステムやサービスを導入し、患者の利便性向上や薬剤師の業務改善につなげる。投資額は2千万円以上を見込む。同法が9月1日に一部改正され、オンライン服薬指導が全国的に実施可能になった。薬剤師がビデオ通話などで自宅にいる患者に問診や服薬指導を行い、薬剤を患者宅に配送する仕組み。患者はパソコンやスマートフォンといった端末があれば指導を受けられる。たんぽぽ薬局は全店舗に、メドレー社(東京都)の調剤薬局窓口支援システム「ファームス」、マイシン社(同)の薬局専用オンライン服薬指導サービス「クロンお薬サポート」を導入。各店舗の端末に服薬指導に関する機能を入れるとともにビデオ通話用のカメラといった機器の配備を進める。服薬指導をオンライン化し患者の利便性向上につなげるほか、薬剤を直接患者宅に届けて服薬指導していた薬剤師の業務効率の改善、経費削減などの効果が得られる。手始めに、薬剤師から直接薬剤を受け取っていた在宅患者8人を順次オンラインに切り替え、服薬指導を開始している。138店舗を地域ごとに17エリアに分け、早期に全エリアでの運用を始める考え。本格的な運用に向けてシステムの操作方法や個人情報の取り扱い、法令知識といった社員教育に注力する。同薬局担当者は「オンライン化が進めば、より計画的な服薬指導が可能になる。中長期的な視点で浸透させたい」と話す。