日ごろ笑うことがほとんどない高齢者は「要介護」に至るリスクが高いことが分かったと、名古屋大などの研究チームが発表した。笑いが健康につながるといった報告はこれまでにもあるが、要介護状態になることを防ぐことにも効果があるという。チームは、全国の人を対象にした日本老年学的評価研究プロジェクトの2013年度の郵送調査のうち、要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者1万4233人について、笑う頻度を「ほぼ毎日」「週に1~5回」「月に1~3回」「ほとんど笑わない」の4段階に分類。要介護認定2以上になった人がそれぞれどれだけいたかを3年間追跡した。その結果、「ほとんど笑わない」と答えた人は、「ほぼ毎日」笑うと答えた人より、新たに要介護認定2以上になるリスクが1・4倍高かったという。データを分析した竹内研時(けんじ)・名大准教授(予防医学)は「要介護になることを予防するためには、よく笑うことが有用と考えられる」と話している。日本疫学会誌に論文(https://doi.org/10.2188/jea.JE20200051)が掲載された。(木村俊介)