外出自粛による認知機能低下を防げ 歩けばたまる健幸ポイント事業拡充


新型コロナウイルス感染を避けるための外出自粛により、特に高齢者に懸念される体力や認知機能の低下を防ぐ取り組みを連携して進めると28日、大阪府高石市など4府県の2市2町が発表した。筑波大や健康機器メーカー「タニタ」のグループ会社「タニタヘルスリンク(THL)」とも連携。健康のために歩いたポイントが商品券などに交換できる「健幸ポイント事業」への参加を呼び掛けることで、健康維持を目指す。同市以外の3市町は、福岡県飯塚市▽奈良県田原本町▽鳥取県湯梨浜町。4市町とも、高齢者の健康づくりなどに取り組む「スマートウェルネスシティ首長研究会」(会長・久住時男新潟県見附市長)に加盟している。健幸ポイント事業は高石市が平成26年度から始めた事業。運動量や検診の受診回数に応じてたまるポイントが商品券などに交換できる。将来的な医療費の削減につながることが期待できるとして、導入する自治体が増えてきている。多くの自治体が連携することで、事業に必要なノウハウの研修や「ポイント」に換算する運動量などを計測する機材の導入といったコストが、自治体単位では軽減される。その効果を期待して、高石市は各地に事業導入を呼び掛けており、今回の4市町連携が実現した。事業に参加した市民らには、自身の健康維持だけでなく、身近な人に健康情報を伝える「健幸アンバサダー」の役割を期待。行政側は、少人数を対象とした健康セミナー開催なども検討している。連携を呼び掛けた高石市の阪口伸六市長の会見に同席した筑波大人間総合科学学術院の久野譜也教授は、外出自粛による影響は特に高齢者に顕著として、運動機能の低下だけでなく、人と話す機会が減ることで認知機能の低下につながる恐れがあると指摘。「外出自粛によりウイルス感染は防げるかもしれないが、将来的に認知症になる可能性がある。どちらにならないかではなく、どちらも予防することが重要だ」と取り組みの意義を強調した。

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