アレルギー治療薬 愛媛大と神戸の企業が連携へ


愛媛大は15日、気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎などに治療効果が期待できる新規アレルギー治療薬の開発に取り組むと発表した。神戸市の化学品メーカーMORESCO(モレスコ)との共同研究で、同大が見つけた低分子化合物をベースに新規化合物を合成し、治療薬創出を試みる。年内の特許取得を目指す。愛媛大大学院医学系研究科の山下政克教授によると、アレルギー疾患は免疫細胞の一種である「Th2細胞」の過剰な活性化が原因。山下教授らの研究グループはこれまでに、Th2細胞の暴走を抑える低分子化合物を見つけており、マウスを使った実験で気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎などの症状改善を確認しているという。人の末梢血でも効果が確認された。モレスコは、特殊潤滑油やホットメルト接着剤などの製品開発を通じて培った精製・合成技術をライフサイエンス分野に生かそうと、創薬研究が可能なラボを創設しており、新規事業として愛媛大と共同研究開発に取り組む。東温市志津川の愛媛大医学部であった会見で山下教授は「多くの患者がいるアレルギー症状の治療薬として発展することを願い、頑張っていきたい」とあいさつ。モレスコの赤田民生会長は「我々が持っている技術を精いっぱい生かし、世の中の役に立ちたい」と意気込みを語った。

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