感染者把握に遅れ 初動対応を強化 「藤和の苑」クラスターで県


群馬県伊勢崎市の有料老人ホーム「藤和の苑(その)」で起きた新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)を巡る対応について、県は9日、初動の遅れを認める検証報告書を公表した。入居者ら68人が感染、16人が死亡する規模に拡大した要因の一つに、最初の感染者の把握に時間がかかったことを挙げた。検証結果を基に今後、初動体制の強化や高齢者施設への指導充実など総合的な対策を進め、再発防止につなげる。 報告書によると、4月6日に施設から入居者5人の発熱の連絡を受け、保健所は症状がある入居者の受診を促し、感染の疑いがある場合には医師を通じて保健所に連絡するよう指導。翌7日に施設から「発熱者の熱が37度台に下がった」と連絡が入ると、新型コロナ感染の可能性を積極的に疑わなくなった。結果的にPCR検査で陽性が判明したのは9日になってからだった。 報告書は発熱の連絡から検査結果の判明まで日数がかかったことを感染拡大の一因と結論付け、今後取り組むべき初動の強化策として、感染が疑われる入居者の早期把握や、入居者ごとの往診医師との情報共有などを挙げた。

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