「東洋のノーベル賞」 阪大・岸本氏に コロナでも注目


台湾が「東洋のノーベル賞」をめざして始めた国際学術賞「唐奨(とうしょう)」の運営団体は19日、今年のバイオ・医薬分野の賞を、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの岸本忠三(ただみつ)特任教授(81)に贈ると発表した。阪大によると、英米の科学者2人との共同受賞で、日本人の唐奨受賞は、京都大の本庶佑(ほんじょたすく)・特別教授らに続き3人目になる。岸本さんは1980年代、関節リウマチなどの炎症反応を引き起こす原因になるたんぱく質「インターロイキン(IL)6」を発見した。その後、IL6の働きをおさえる抗体医薬アクテムラ(一般名トシリズマブ)の開発につながり、世界中で使われている。アクテムラは、新型コロナウイルスによる重症肺炎にも使われ、症状が改善したとの報告が国内外で出ている。新型コロナは、免疫機能が暴走する「サイトカインストーム」を引き起こす恐れが指摘され、アクテムラはサイトカインストームをおさえる作用がある。製薬会社が臨床試験に乗りだし、有効性が注目されている。岸本さんは大阪府富田林市出身…

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