動物用コロナワクチン承認 露当局「世界で唯一。変異を防げる」


ロシア動植物衛生監督庁は3月31日、傘下の研究機関が開発した動物用新型コロナウイルスワクチンの使用が承認されたと明らかにした。タス通信が報じた。2020年10月に始まった臨床試験(治験)で有効性や安全性が確認され、4月にも大量生産を始める予定だという。動物向けとして「現時点では世界で唯一のワクチン」だとしている。タス通信によると、承認されたのは肉食獣向けの不活化ワクチン「カルニワク・コブ」。治験は犬や猫、ミンク、キツネなどを対象とし、ワクチンを投与したすべての動物に新型コロナの抗体が確認された。抗体は少なくとも6カ月間は維持されているという。新型コロナはヒトからペットや動物園の動物に感染した事例が報告されており、20年11月にはデンマークでミンクからヒトに変異株が感染した可能性が指摘され、毛皮採取用のミンクが大量殺処分された。動植物衛生監督庁は「変異株は異種間の感染で発生しやすく、動物へのワクチン投与により変異するのを防ぐことができる」としている。【モスクワ前谷宏】

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