「15分で感染チェック」の抗原検査キット 「週20万件分の量産可能」


臨床検査薬を製造・販売する「富士レビオ」(東京都)は28日、新型コロナウイルスに感染したかを15分程度で調べられる「抗原迅速診断キット」を開発したと発表した。厚生労働省が薬事承認の手続きに着手していて、5月中にも公的医療保険の対象となる見通し。自社工場で週20万件分のキットを量産できるといい、PCR検査の実施件数が伸び悩む中、医療現場での検査体制の充実につながる可能性がある。抗原検査はインフルエンザの診断など臨床現場で広く使われている手法だ。医師が鼻の奥から綿棒で検体を取り出し、キットに反応させるだけで、感染の有無が10~15分で分かる。PCR検査は専用の検査機器のあるところに検体を持ち込み、結果が出るまで数時間かかるのに対し、抗原検査キットは手間をかけずにその場で確認できるのが利点だ。ただ、PCR検査に比べて精度が劣るとの指摘もある。同社の試験でも、ウイルス量が少ない患者は陰性と出るケースがあったという。同社の石川剛生社長は「PCR検査との使い分けなどについて厚労省や関係学会と協議している。より早く、より多くの人に検査ができるようになれば、医療資源を効率よく効果的に活用でき、適切な診断に貢献できるのではないか」と話した。【横田愛】

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