【変わりゆく医薬品情報提供~これからのMRのあり方】富士通エフ・アイ・ピー(Colle-Spo)


富士通エフ・アイ・ピーは、安全性情報一報・詳細報収集支援サービス「Colle-Spo(コレスポ)」の提供を昨年から開始した。これまで紙媒体に記載していた安全性情報の連絡票や詳細調査票をウェブ入力に切り替えるシステムで、MRが医師と直接対面することなく安全性情報を収集できる。新型コロナウイルスの影響により、MRがリモートディテールに注力する中、コレスポに関する製薬企業からの相談件数がこの数カ月で急激に増えているという。今年度中に8社、最終的には40社のコレスポ導入を図りたい考え。産業ビジネス第二統括部長の小林浩氏は、「紙文化から脱却したいと考えている製薬企業も多く、システム化により効率的な情報収集を支援していきたいと考えている。この1~2年が働き方を変えるチャンスであり、われわれのシステムを標準化させたい」と話す。「Colle-Spo(コレスポ)」イメージ図富士通グループでは、製薬企業向けビジネスとして、創薬から研究開発、市販後に至る全ての領域において、データ管理システムなどのITソリューション事業を手がけている。グループの中で、富士通エフ・アイ・ピーは、医薬品の上市後に当たるGPSPやGVPに関わる領域を担い、製造販売後調査データ収集システム「PostMaNet(ポストマネット)」や安全性情報管理システム「パーシヴAce/PV」を提供している。安全性情報の収集をめぐっては、MRが医療機関に訪問して詳細調査票を入手し、FAXで本社に送付している場合が多く、業務効率化の面で課題がある。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、緊急事態宣言下でMRが施設訪問の自粛を余儀なくされ、一部の顧客からは、「安全性情報の収集が非常に難しくなった」との声もあったという。こうした中、MRがPVに安全性情報をウェブで伝える「一報」を支援するシステムとして、昨年7月にコレスポの提供を開始。今年3月には、一報の後に医師が詳細な安全性情報を入力し、製薬企業に報告する「詳細報」を支援する機能も加わった。MRが医師とのウェブミーティング等で安全性情報を収集し、その内容に基づきコレスポに入力した一報を本社に送付。その後、医師に詳細報の入力を依頼し、ウェブ上で入手することにより、安全性情報の収集を全てリモートで実施できるようになる。製品の特徴としては、標準化されたサービスとして、詳細報に必要な入力項目を全て網羅。医師は、詳細報の内容や依頼元の製薬企業に影響されずに同一の入力方法で利用できる。また、ポストマネットの開発経験を生かし、視覚的に分かりやすい入力インタフェースを実現させた。これにより、医師に詳細報の電子的な入力を依頼する際のハードルについては、下がることが見込まれる。同社が実施したアンケートによると、医師に「電子的報告システムを利用したいか」と質問したところ、約7割の医師が「利用したいと思う」と回答。治験や市販後調査でEDCの利用が中心になってきていることもあり、医師は電子化への抵抗が少ないという。小林氏は、「医師が使うシステム、MRが使うシステムといった、市販後の領域で全方位的にシステムを提供できるのは、おそらくわれわれだけだと思う。これまでの製品開発で培ってきたノウハウを統合させたことで、安全性報告全体をカバーするシステムが構築できた」と述べ、コレスポに自信を示した。富士通エフ・アイ・ピー(Colle-Spo)
https://www.fujitsu.com/jp/group/fip/services/solutions/life-science/colle-spo/

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