コロナのDNAワクチン、大阪市大病院が治験承認 阪大教授ら共同開発


新型コロナウイルスのDNAワクチンを開発している製薬ベンチャー「アンジェス」(大阪府)と大阪市大は25日、市大病院の審査委員会で治験計画が承認されたと発表した。新型コロナワクチンについては米国や中国、英国などですでに治験が進んでいるが、国内では初となる見通し。大阪府は当初、市大病院の医療従事者を対象に行うとしてきたが、特定せずに治験者を募る方針となっている。治験が行われるのは、アンジェスが森下竜一・大阪大教授らと共同開発しているワクチンで、ウイルスの遺伝子情報を環状のDNAに組み込んで投与することで、体内で抗体ができる仕組み。治験計画では、新型コロナに感染していない20~65歳の健常成人を対象に、30人を目標に希望者を募り、ワクチン投与の安全性や有効性を確かめる。市大の審査委が24日に承認し、アンジェスと市大病院が25日に契約を締結した。この治験を巡っては、大阪府の吉村洋文知事が17日、市大病院の医療従事者20~30人を対象に「30日に治験を開始する」と発表。市大の審査委の承認前に日程が公表されたため、市大関係者などから進め方への批判や不安の声が上がっている。アンジェスは今後、業者などを通じて治験希望者を募る方針で、めどが付き次第、治験を始めるとみられる。市大病院は「(病院職員にも治験を)周知はするが、あくまで自由意思に基づく参加とする」としている。【松本光樹】

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