段ボール間仕切り板、病院や自治体から注文殺到 福岡・みやこ町職員が発案


新型コロナウイルスの飛沫(ひまつ)感染防止策として、福岡県みやこ町役場が職員の発案で窓口に設置した段ボール製の間仕切り板が反響を呼んでいる。西日本フィナンシャルホールディングス(FH)傘下の銀行2行が全営業店への設置を決めるなど、製造会社には病院や自治体などからも注文が殺到している。【松本昌樹】間仕切り板は、役場の窓口を訪れる町民の不安を和らげようと、町総務課の職員が、アクリル板などに比べ、持ち運びやコスト面で優れる段ボール製の間仕切り板が作れないかと発案。4月上旬に同県行橋市今井の段ボール製造会社、大国段ボール工業に依頼し、役場の全窓口用に55枚を製作した。間仕切り板が設置された直後、役場を訪れた西日本シティ銀行行橋支店の行員の目に留まり、来店客と行員の感染防止に役立てられないかと本部に報告。西日本FHは、傘下の西日本シティ銀と長崎銀2行の全営業店に合計1500枚の設置を決めた。大国段ボール工業は、視覚障害者がスマートフォンを使って書類を撮影するための、段ボール製のスマートフォンスタンドを考案して2019年度のグッドデザイン賞を受賞するなど、ユニークな商品開発で知られる。社長の寺沢一光さん(65)は「思わぬ反響で製造が追いつかないが、身を守るために求められていることがわかるので、チームを組み土日返上で頑張る」と話している。

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