医療機関の7割 コロナ長期化恐れ 岡山県保険医協会がアンケート


新型コロナウイルスの影響に伴う患者の受診控えなど現状の長期化を、7割の医療機関が恐れている―。岡山県内の開業医でつくる県保険医協会が会員の医師と歯科医師に行ったアンケートで、こんな結果が出た。現在困っていることとして「経営悪化」を挙げた回答も6割を超えた。新型コロナを巡っては県内の医療機関の倒産が27日に判明しており、調査では多くの医療機関が経営にダメージを受け、先行きについても強く懸念している状況がうかがえる。 アンケートは新型コロナの影響が出始めた2月以降の状況把握を目的に月ごとに行っており、今回は5月時点が対象。6月上旬、会員の医師558人と歯科医師402人に送り、それぞれ149人、54人が答えた。全体の回答率は21・1%。 今困っている内容(複数回答)では、受診抑制や新型コロナ感染が収まらないといった「現状の長期化の恐れ」が70・4%でトップ。次いで「アルコール、衛生材料などの高騰、不安定供給」64・0%、「経営の悪化」62・1%、「自身やスタッフの感染の恐れ」61・1%の順となった。 5月の外来患者の増減に関しては、前年同月と比べて「減った」87・7%、「増えた」4・4%。保険診療収入は「減った」83・3%、「増えた」6・9%だった。4月時点の外来患者、保険診療収入が「減った」とした回答(それぞれ89・0%、83・5%)からほぼ横ばいで、厳しい状況が続いていることを示している。 同協会は「多くの医療機関は、感染の第2波到来やインフルエンザの流行期と重なることを危ぶんでいる。今も感染者が増えており、状況が長期化すれば経営がさらに苦しくなるところも出てくるだろう」としている。 県内では、真庭市の整形外科医院が、医療機関では全国で初めて新型コロナの影響で倒産したことが判明。同協会はアンケート結果を受けて今月上旬、国と県に医療機関への経済的支援、アルコールや防護具など物資の安定供給・無償配布などを要請している。

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