会津・南会津、相双、いわきメタボ割合高い傾向 特定健診結果の健康指標


県は二十二日、県民の二〇一六(平成二十八)年度の特定健診結果を県内六つの二次医療圏ごとに分析した健康指標を公表した。糖尿病や心疾患など生活習慣病を引き起こす要因となるメタボリック症候群該当割合の指数は会津・南会津、相双、いわきで県平均より高く、中通りで低い傾向が見られた。県中と県南は血糖値が高いなど、地域別の健康課題が浮かんだ。県は福島医大や市町村と連携して要因を調査し、効果的な保健指導を進める。国民健康保険(国保)と全国健康保険協会(協会けんぽ)福島支部、後期高齢者医療広域連合の加入者約百四十万人のビッグデータを活用する「県版健康データベース(FDB)事業」の一環。福島医大健康増進センターが特定健診対象となる四十歳以上七十五歳未満の約五十八万人のうち、受診者約二十八万人分の結果を初めて分析した。健康指標の指数は県平均を「100」とし、地域別の数値を算出した。主な健康指標となるメタボリック症候群該当割合、血圧高値割合、脂質異常割合、血糖高値割合の四項目の結果は【グラフ】の通り。相双は男女とも全項目で県内最高値となり、メタボリック症候群該当割合は男性が116・32、女性が122・53だった。いわきはメタボリック症候群該当割合は男性が106・90と県内で二番目に高かった一方、血糖値が高い人の割合は男女とも低かった。会津・南会津は男女とも血圧が高い人の割合が高かった。一方、メタボリック症候群該当割合が低い中通りでは、県中と県南で血糖高値の割合が高かった。県北は全ての項目で他地域より割合が低かった。ただ、二〇一六年度のメタボリック症候群該当者は特定健診を受けた県民の17・30%に上り、全国平均の14・80%より2・50ポイント高かった。全国ワースト三位の状況で、生活習慣の改善は全県的な課題となっている。県は今後も福島医大健康増進センターや市町村と連携し、年度ごとのデータを分析する。医療機関の受診データや市町村の持つ疾患別死亡率などを組み合わせて詳細に調査し、市町村単位で健康を脅かす要因を突き止める。県健康づくり推進課は「科学的根拠に基づく予防策などの実践と検証を推進し、健康寿命の延伸につなげたい」としている。※特定健診 糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病になる人が増加したことを受け、医療費抑制のために2008(平成20)年度に始まった。メタボリック症候群(内臓脂肪型肥満)に着目した検査で、40歳以上75歳未満が対象。腹囲が男性85センチ以上・女性90センチ以上で、血糖や脂質、血圧の数値が高いなどの判定基準がある。

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