県有識者懇 「3密」回避徹底を 経済活動との両立訴え


新型コロナウイルスの感染拡大防止策について専門家から意見を聴く岡山県の有識者懇談会が21日、岡山市内で開かれた。県内で7月以降、若者を中心に感染確認が相次ぐ中、指定医療機関の専門医らは、手洗いやマスク着用、3密(密閉、密集、密接)の回避といった基本的な対策を講じた上で社会経済活動を維持する必要性を訴えるとともに、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患がある人への感染を防ぐ取り組みの徹底を求めた。 会合は4月に続き2回目。伊原木隆太知事をはじめ、松山正春県医師会長ら9人が今後の対策を協議した。 流行第1波の際、外出や店舗営業の自粛要請で拡大に歯止めをかけようとしたことについて、津山中央病院の藤田浩二医師は「経済的ダメージが深刻で二度と使えない」と指摘。今後、さらに感染が広がった場合でも社会経済活動を維持していくため「感染防止の基本で効果の高い手指衛生やマスク着用、3密回避を改めて強調すべきだ」と指摘した。 倉敷中央病院の上山伸也医師は学校の臨時休校に触れ、全国の事例から子どもは感染しても発症しにくいことが確実と説明。「精神面や学業面へのデメリットの大きさを考えると休校は必要ない」との見解を示した。 このまま若者の間で広がり続ければ、重症化しやすい高齢者や基礎疾患がある人への感染リスクが高まるのは避けられず、吉備国際大の中瀬克己教授は「若者と高齢者らとの接触をどう減らしていくか、具体的な対策を考えていくことが重要だ」と提言した。 伊原木知事は「第1波で効果が薄かったものは極力避け、効果が高い基本的な感染対策を地道にやっていきたい」とした。

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