足に異常…キリンの子走った 安佐動物公園、装具士が協力


広島市安佐動物公園(安佐北区)で、両後ろ足の腱(けん)の異常のため自力で立てない状態で生まれたアミメキリンの子どもが、足を支える特製装具を着けて元気に成長している。21日、装具を作った義肢装具士で、広島国際大(東広島市)総合リハビリテーション学部講師の山田哲生さん(53)が同園を訪れ、経過を観察した。4月に生まれ、「はぐみ」と名付けられた雌。生まれた直後、指先を曲げるための腱が伸び切り、指先部分が別の方向に曲がっていた。すぐにギプスで固定。立てるようになったものの症状は改善せず、同大に協力を求めた。山田さんが作った装具は長さ約40センチのプラスチック製。足先を覆うように取り付け、一定に動かしながら治療する。今月2日に装着すると、走ることができるまで回復。天気が良い日は運動場で母親のメグミと過ごしたり、歩行訓練をしたりしている。同園の獣医師野々上範之さん(38)は「腱の状態は良くなっている」と実感する。「キリン用の装具作りは初めてで、手探りだった」と山田さん。はぐみが着けるのを嫌がるなどしたため、3度作り直した。この日、はぐみの動きを確認し、「治療は始まったばかり。成長に合わせて装具を改善したい」と話していた。(赤江裕紀)

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