避難所での感染どう防ぐ? 予防徹底、エコノミー症候群にも注意を


 避難所での新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐには、どのような点に注意すればいいか。九州大の橋口隆生准教授(ウイルス学)は「避難所であっても基本的な感染予防策は変わらない」と話す。

 避難所では多くの人が昼夜を過ごす。内部にウイルスを持ち込まないため、入り口での検温や体調チェックは必須。互いにマスクを着用して飛沫(ひまつ)を飛ばさないようにし、定期的な換気や共用部分の小まめなアルコール消毒も大切だ。避難スペースでは互いに向き合わないように座り、間隔を取る。段ボールなどの間仕切りも効果的だ。

 体調不良を訴える人が出た場合に備え「発熱やせきなどの症状のある人を隔離するスペースを設けてほしい」と橋口准教授。毎朝熱を測るなど体調の変化への注意は欠かせない。

 夏の避難所でのマスク着用は蒸し暑く、熱中症の危険もある。橋口准教授は「避難所を運営する行政も、冷房環境を整えるなど避難者が快適に過ごせるようにしてほしい」としている。

 車中泊の場合は、エコノミークラス症候群に注意が必要だ。窮屈な姿勢で寝ると脚に血栓ができやすくなり、それが肺に達して血管を詰まらせると死に至るケースもある。予防にはシートを倒してできるだけ平らにし、脚を曲げずに横になることが大事だ。

 熊本地震の被災地で予防法を指導した済生会福岡総合病院の臨床検査技師、手嶋敏裕さん(51)は「小まめに脚を動かし、適宜、水分補給も忘れずに」と呼び掛ける。足の指を開いたり(パー)閉じたり(グー)する動きやふくらはぎのマッサージは座ったままでき、効果的。「締め付けが少ないゆったりとした服装を心掛けて」としている。

(山下真、斉藤幸奈)

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