<検証 福井コロナ禍>(4)保健所 第2波に備え態勢強化


県内で新型コロナウイルスの感染拡大が続いた三月下旬〜四月中旬。福井市保健所の相談窓口では、電話がひっきりなしに鳴っていた。「熱がある」「感染者と接触しているかも」−。感染を心配する市民や医療機関からの問い合わせだった。「ほとんどの職員が電話対応にかかりっきりだった」。担当者は当時をこう振り返る。県内初の感染者が確認された翌日の三月十九日。相談は、前日の三倍に当たる百三十七件に急増。ピークの四月九日は三百九十件に達した。市保健所は不安を訴える相談者に、行動歴や患者との接触の有無、平熱との比較などから、PCR検査に必要な検体を採取する専門外来への案内を判断した。「なぜ検査を受けられないのか」。中には不満の声もあった。担当者は「特に初期は、全てを専門外来につないでいたら、今度は専門外来が回らなくなってしまっていた」と当時の逼迫(ひっぱく)ぶりを明かす。県によると、検体は当初、六カ所の専門外来で採取した。しかし治療を担う感染症指定医療機関という側面も持っていたため、のしかかる負担は大きかった。その後、二カ所のドライブスルー方式を含む十三カ…関連キーワード

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